I'm hungry/アオゾラ誤爆
 
 愛でなければなんだろう、と、恥ずかしげもなく考えていた。

 胸の奥が熱く、むしろ痛く、つよい磁石にひかれているかのように、その方角へ向かおうとすること。どうしてもそこへ行きたいという、あくまでも動的な欲。
 立ち止まっていられる気がしない。今すぐにでも、たどり着きたいとおもう。身体も、心も、頭のいちばん理性的な部分をも含んだ、私のすべて引き連れて。


 カフェラテ、ホット、スモールサイズ。
「お待たせ」
こぎれいな円いテーブルに、ふたつのカップが、ことりと置かれた。行きつけの、というのはやや恥ずかしいチェーンの喫茶店。地下一階、いつもの席。恋人はどっしりとした濃紺のソファ
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