蝶燃える/木の若芽
 
蝶燃える
        木の若芽


蝶が 蝶が 落ちていく
焼けた道の上 燃えつきたように
むくげの咲く下 焦げたように

わたしも こうなってもいい
だが
わたしは こうならないだろう

蝶は 蝶は 燃えている
飛びながら 盲いながら
神の心と 光に化して

わたしは蝶を愛する
だが
わたしは蝶を超える

これは死ではない

まかれた鱗粉は 一瞬宇宙を照らした

わたしたちはもっと宇宙の奥を照らしていく
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