道端でタバコを、/nomica
 
あがりきらずに滑り落ちていく秒針
時間はゆがんでこすれて消えて行く
登りきるのはあんなに手間なのに
下る時にはどうしてか時間を待てない?
スキップ!駆け下りて足が絡まってあごから転ぶ

道端でタバコを吸っていた女の子
炊いた煙をどうする事もできずに頭の中にふかふかと貯めていく
短くて
思い通りにならない前髪より
マンホールのむこうがどうなっているか気になり始めた
単純でいりくんだ性格のきみは
何処にいても一人でとおく を 瞳を細めて 何か思い出そうと
眺めているらしい 
アモーレ!
そこに入り込む隙間の見出せない俺は
その壁掛け時計を滅茶苦茶に叩いた

 ・・・秒針は中心から取れて、
からからころとガラスのむこうで動かなくなってしまった
次の朝 そのこはまたいつものように遠くを見ていた

でも二度とタバコは吸わなかった

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