一切れのスイカ/灰泥軽茶
 
さっきまでここにいたのに

だれもいない

冷たい空気が流れて気持ちが良い

スイカが一切れ置かれていて

がぶりと一口

すうっと目の前がうすれる

だれもいない

とっくのとうに

私もここにいない気がする

どこに行っても

どこにも私はいない気がする

ただいつも目を閉じると

懐かしい気持ちと

私はそこにいた気がするよ


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