修羅街の人/チャオ
それにしても私は憎む、
対外意識にだけ生きる人々を
―パラドクサルな人生よ
中原中也 修羅街輓歌より
最近、本屋さんでアルバイトを始めた。書棚を持つことが出来ないからずっと、レジカウンターの前で突っ立ってる。あきれるくらい暇だ。でも、本に関わりたいという少年みたいな願望が、まだ僕をレジカウンターの前に立たせている。
いろんなお客さんが来る。老若男女問わない。でも、持って来る本は、あまり変わらない。そして、お客さんが探している本もいつも変わらない。スーツを着た人は、語学かビジネス。女の人は、旅行か料理、雑誌。そんなものばかりだ
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