浄化のシステム/平井容子
 

蜂をしゃぶったのどに光が当たる
竹ひごで編んだ身体に風が吹く
シャーベットカラーの臨終に手足が跳ねる
沖あいでこいびとが放ったブイが海中へ消える
香水と星とが同時に蒸発する
水のようにドアは香る

なぜ

幻想を消化する間
わたしたちは泣きながら眠っている

戻る   Point(19)