今朝の椅子/
朧月
もうすでに
だれかが座っている
私の今朝の椅子に
父かもしれない
母かもしれない
それが
毎日というものかもしれない
背伸びしてでも
前へとおもっていたけれど
くりかえし くりかえし
なぞってゆけば
いいのかもしれない
自分ひとりでもない
自分だけでもない
この今朝の椅子 だれかが座っていた に
腰をかけて
なにからはじめよう
今日という一日
戻る
編
削
Point
(2)