詩の磁場(2)/草野春心
 
は言い
     鹿は鹿と鹿について話しています


  37.薪
     という文字だけを読み終え
     そのまま息を引き取った赤子


  38.帆船が
     古い栄光に
     公衆電話を殴らせています


  39.固有名詞を好みます
     精液も好みます
     水道管だけを嫌っています


  40.自らの残像と結託することで
     欠落を埋めるおつもりでしょうか
     静かにしてください}



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