緩む【ツイート詩005】/
シリ・カゲル
水が緩む。木が緩む。みんな陽のあたるところから緩むんだ。まだ震えている部位だって多いのにね。櫻の樹の下に埋まっている御遺体にもかまわず、ポーラミュージアムアネックスの受付嬢は指関節を鳴らして勤務時間を消化する。みんな縦構図で捉えちまえばいいんだ。零れた現実も見えにくい下弦月の夜。
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