背景の猫/
かのこ
細い月のような眼(まなこ)で
わたしを見上げ
気怠い午後
ちいさな女の子は
においで愛をおぼえ
耳、伏して
鼻、冷たい鼻
しっぽは昼間にある月を指して
わたしは、その背中に乗りたいと思う
それで月を掴みに旅に出よう、と言って
そのまま包まり眠るように
背中の模様を撫でたら
ぱちっと発した静電気に
わたしは、ふふっと笑って
そのまま包まり眠る、午後のこと
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