秋の夕映え/
吉岡ペペロ
ひかりだけ
音のない
ひかりだけの洞窟
その洞窟のなかで
郷愁に身をさらしながら
ぼくは透明になっていた
今年いちばんの暑さであるのに
まだ蝉さえわんわん鳴いていないのに
今日ずっと秋を感じていたんだ
ひかりだけ
音のない
ひかりだけの洞窟
その洞窟のなかで
郷愁に身をさらしながら
ぼくは透明になっていた
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