ボーイ・ミーツ・ガール3/たもつ
 
 
 
夜の駅、少年と少女は
ベンチに座っていた
この町を出たかった
手の中には僅かのお金
二人だけで生活するには
あまりに幼かった
それなのに小人料金では
もうどこにも行けない
名前などいらない、と
少女がつぶやく
常夜灯でできた二人の影が
時々単純な命のように動く
 
 ‬
戻る   Point(8)