風が爽やかな夕刻/
kauzak
抱えきれない秘密を携えて歩く
頬をなでてゆく風さえ感知できずに
あの夕焼けは何だろう
燃え落ちていく太陽が近くて
僕は崩れ落ちそうだ
愛することと憎むこと
表裏一体だなんて陳腐だったはず
なのにこんなに胸を貫かれる
風が爽やかな夕刻
まるで皮肉のように綺麗な光景
家路を急ぐ人々の姿が
清潔で瑞々しく見える
映画のワンシーンでも見ているかのように
僕はここに居て居ないけれど
帰る場所だけはあるのだ
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