憧憬に勝って/
もっぷ
みていた憧憬は
カップのなかの角砂糖のように
溶けていった
まるで経ってゆく日日のように
あっけなく
脆さを
弁護するつもりはない
ただ
愛することができる
無償で
*
傘を捨て
雨のなかへ身を置くような
いつか、からのそんな癖
それは雨のような
なまやさしいものじゃないのに
たかが
かなしみ、
(本心じゃない
かなしみ
忘れられないし
癒えることのない
隣人のような
そんな
そんな、
君
かなしみ
憧憬に
勝って
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