自己申告2012/木原東子
如何に生きた、尋ねる声がする
平和でした
知識と技術と民主主義の時代でした
学び続けています
誰かを助けたりはしませんでした
世間のひとすみで労働をお金に換え
蝸牛のような家を借り
夫婦して子を数人育て上げました
子は労働を愛し、子を生し幸せです
生物の一種としての原則を全うしました
やがて病を得て死が最後の体験となるのでしょう
この身を束ね、意識を司っていたシステムが崩壊する
おそらく粒子にまでもどるかも
五感で感じる物質の世界は
脳のキャバシティと仕組みの産物とは言え
万緑、満天の星、百花繚乱、空と海、地下の命の形まで
月も地球のマグマも、食
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