不幸な七夕/ちゃむ
・・・雨。
空は願いで満たされて
重く沈んでゆく(まるでヒッグス粒子だね)
それでも
雨上がりの夜空
皮肉でしょうか
なんだか空気が澄んでいるようで
夏のわりには
綺麗に星が輝いて見える
濡れた笹の葉がつややかに
短冊は萎れながらも風に揺れて
わたしは涼を楽しんでいる
ふと
思う
七夕、ふたりはもう一度
あるいはもっと逢えるのかもしれない
太陽暦と太陰暦
そして、旧暦で言うところの閏七月の存在
それを思うと
なんだか、ため息がこぼれて
ほら
雨上がりの夜空
裏切られた気分
だって、空気が澄んでいるようで
夏のわりには
綺麗に星が輝いて見える
濡れたアスファルトが深く静かに
鏡のような世界を広げて
膨らんでゆく夜空にポツンとひとり
ふと
想う
七夕、わたしはもう二度と
純粋に楽しめないかも知れない
そんなことを考えて
もう午前零時をすぎたセンチメンタル
ちょっと不幸な気分です
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