夢の中/中川達矢
夜は昼になっていく
居酒屋は5時まで看板を輝かし
サラリーマンは帰り道を忘れる
忘れる
(いや、覚えてなかった。眠っていたから。朝になって
パソコン開いたら「やばい」「大きかった」とか
つぶやいている人々がいたけど、別に。
だから、あなたの言うことがわからない)
クラス対抗サッカー大会が
校庭で行われていて
私は教室の中、勉強している
勉強している
(でも、サッカーは得意だった。
体育の授業でサッカーやる時は、
クラスで4人のキャプテンの中の
1人だった。ひとりだった)
多分、落し物をした
それが何であったか
思い出せないからいいだろう
いいだろう
(夢中であれば気がつかなかった。
けど、気がついたから夢中になった。
夢中だから、あなたの言うことがわからない)
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