Go on/文字綴り屋 ひじり
 
走る

バイクで風を切って走る

お前は何も言わずに俺の背中を抱いている

聞こえてくるのはお前の胸の鼓動だけ

まるで誰かに追われているかのように

ただひたすらに走る俺たち

真っ暗な海が気まぐれに月の光を反射する

誰もいない浜辺で2人だけのウェディングセレモニー

交わす指輪もなければ投げるブーケもない

黒のライダースジャケットになびくお前の長い髪

それだけの夜 それだけの瞬間

だけどそれだけがこの地上で息をする意味を俺に与えてくれる
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