頭蓋と埋葬穴・四角錘の猟犬群/高濱
 
使は、
外部への裂目である。
衣裳箪笥の司祭たちが瞑想する、
比類ない愛の為に両目を潰した善人が、
緑の鈴蘭を化粧棚に振り撒く、
雑種の犬が吠えている、
純血種の猟犬が地底を駆け巡り
一羽の巨大なモアを持ち帰る。


眼球投射装置を備えた男性が
壁に様々な昆虫をスライドさせ、
活火山性の噴煙や、大砲の発射、
塹壕兵の半分に吹飛んだ顔、
青緑色の鸚哥の心臓などを
無関係に配列してゆく。
火花が散る車輪を停車させ、
馬車より十四世紀の骸骨が降りてくる。


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