死を憎む青年へ/月山一天
わしには
締め切りと言われる物があった
一生懸命
残業して、媚を売って
金欲しさにただ、がむしゃらに働いた
気付けば
わしは全てを失っていた
家族も
友達も、健康さえも
そしてわしは祈った
一生朽ちないからだが欲しいと
死がなければ
何でも達成できると
締め切りの無いオレは
何でも思いのままだと
青年よ
わしは
死ねない
朽ちて行く精神に
身体は
悲しむ事もしない
愛も希望も
夢も信仰も
はかない故に
尊く
美しい
青年よ
出口の無いトンネルを
だれも
突き進む事は出来ない
この世に
光があり
闇が存在するように
死
があり
生が
あ る
青年よ
私たちは
いつか死ぬから
全てに意味あるのだよ
信じてくれとは言わない
けれど
わしは
死ねないのだよ
青年よ
死を
嘆くなかれ
憎むなかれ
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この詩を母を亡くした青年、まさひろに送る。
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