死を憎む青年へ/月山一天
青年よ
信じてくれとは言わないが
わしは
死ねないのだ
青年よ、何故
どうせみんな、いつか死ぬんだから
何もかも意味が無いと嘆くのか?
昔から死は
憎まれ
恐れられるが
青年よ
君は締め切りの無い宿題を
始める事はできるだろうか?
一生壊れない車を
君は大切に扱うだろうか?
限界があるから、
過ぎ行く季節に
明日は枯れてしまう花に
輝けし尊さがあるのだ
青年よ
生きるのと
ただ存在するのには
大きな違いがあるのだ
わしはもう生きるのに疲れたので
ただ死んだように存在するのだが
そういえば、いつかのわし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)