アスパラガス、コーヒーの木/マクベス
ディスカウントショップでジャングルを六鉢買ってきた。定年後のお父さんが長年にわたり趣味でやっているような本格的なものではなく、今では素人でも手軽に簡単に育成できるてのひらサイズのものがいくつも売られているのだ。一鉢百五十円。悪くない。
そんなわけで、大した意味を持たず水平にただ広がっていただけの私の無機質なデスク(缶コーヒー、ペン、車の鍵、散らばった小銭、溜まったスーパーの伝票、それにお菓子のくず…汚い)はその小さなジャングルの集まりによって文字通り命を吹き込まれた。
半分顔を出して泳ぐカバのいるオアシス。草の生い茂りにワニが横たわり(昼寝をしているのだろうか?)ガゼルの群れが水を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)