蚤市の仏像さん/灰泥軽茶
 
同じ格好した仏像さんが二、三十

指の腹で撫でながら

ひょいっとひとつ持ち上げたら

あぁこのおもさがちょうどよい

ひんやりどくどく

てのひらの中から身体の中へ

巡る巡る

まるでこの仏像さん

生きているようだな

ちょっと離れて見てみると

しゃんとさらに良い

何か語りかけてきそうだけれど

でもそっぽ向いている

あぁ家に持って帰りたい衝動にかられ

いくらかと尋ねれば

五十万、これだったら三万だよと

他の仏像さんを指して勧められたので

すたすた退散



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