Beginning/
南 さやか
静寂の中に落ちる 一滴の夢を
両の手ですくいあげる 私たち
温まって行く互いの胸の何かを
言葉に写すことの出来ない
このもどかしさを
愛という祭壇に捧げる朝
目の前に起きるすべてが奇跡なら
ここに寄り添う今を 飲み干そう
喉元を
生まれたばかりの夢が降りて行く
それは冷たく みずみずしく
胸に隠した恐れを解くように
昨日の続きへと流れ落ちて
ありのままのふたりを 結んで行く
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