雨とヨーグルト/Akari Chika
 
雨の音を聴きながら
ヨーグルトを食べる
雨脚とはうらはらに
部屋は静かで

ただ頭を撫でられていたかった
この手はいつも
あなたの為に空けてあった

からっぽの傘を握るために
わたしは泣いていた訳じゃない
この傘はいつも
あなたのために開きたかった

胸のところにある安心を
唇で吸い取るみたいに
足元をぬぐうタオルから
森の香りが漂うままに

ただ窓からの景色を
共有していたかった
雨が向こうのほうから
色が変わっていく様を
星が無数に瞬くのを
街が呑み込まれていく様を
ただ
ただ
あなたの鼻歌が好きだった

髪の表面に水滴がつくのを

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