二十五歳のお盆/komasen333
 
のアラームが鳴り響いて
慌てて
ボストンバッグに
文集や思い出のノートをつめて部屋を出る

「またな」と
つぶらな姪っ子の頭をポンポンと叩いて
「お正月には帰ってきなさいよ」と
儀礼めいた母の言葉を背に受けながら
新幹線出発の
二十分前到着をイメージして駅へと歩く

真夏の陽射しに促されるように
揺れる陽炎が
帰るべき
明後日のオフィスの
デスクをふと過ぎらせる

ちょっと鬱陶しい
だけど嬉しい
お土産として渡された清涼飲料水
ゴクッと飲んで
歩くペースを上げた 八月末
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