人よ一夜と洒落頭/faik
 
アングラな思想に
陰雨は益々逆上し
渦巻く不条理と
液状化する倫理の狭間を
横行していく出任せの正義

快楽の行く末は
琴線に触れもせず
狂い咲く恥じらいと
計算された愛憎を武器に
媚びを売り歩く春色の少女

歳月に値する咎は
恣意的な殺戮
数日後の虚脱感は
青春のトラップ
そうこうする間にも夜は遡る

立ち籠める険呑
畜生道をふと考えるも
つまるとこ無難な毎日で
適当にあつらえた
透写の幸福に虎落りよがり這い回る朝

泣きっ面を蜂が刺し
肉感的に魔が差し
塗りたくる白濁と汚濁
念願叶うも心安らぐことはなく
能ある鷹のふりをして又、嘘を越える
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