ある寒い日のこと/もこもこわたあめ
まだ小さい、震えるばかりの子猫を抱きしめながら
君はかけてきたよね。
僕への笑顔の裏に真実を上手に隠せないまま
・・・それが君の素敵なところ・・・
そんな言葉が風にさらわれて、音にさえならない。
けれど、君にはきっとわかってしまっているよね。
僕も隠すのは上手じゃないから
まるで壊れ物に触れるように子猫をなでる僕に
君の小さな手が重なって・・・
僕らは見つめ合ったまま
言葉は風にさらわれて
ある寒い日のこと
8th,December 2004
33rd
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