命の重さ/ちゃむ
 
自分の命と引き換えに
お願いをしたことがある

神様、仏様、
あるいは悪魔でも構わなかった

願いを叶えてくれるなら
誰でもよかった

白い犬だ
大切なペットだ

それが病気になってしまった
もう結構な老犬だから手術が出来ない

夜中になると苦しそうに咳き込んでいる

代れるものなら、代わってあげたい
本気でそう思って
自分の命と引き換えにお願いしてみた

願いは叶うことが無く
それでも余命宣告を悠に超え
数年生きてくれた

誰の力でもない
自分の力で生きた、がんばりやさんだ

当然だよね
命と引き換えとはいっても
それに見合ったものじゃない

私の命は軽すぎて
何も救えやしないんだ

救えやしないんだよ
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