平坦な夜を明(空)かして/yuugao
子供のリュックサックの側の付近では
いつもの均等で均一な空気が
なんとなく急かされているように見えて・・・。
真っ黄色に染め上げられたリュックが
強い昼の日差しを受けて
何かのキャラクターみたいに動いていた。
私がそれに夢中になると
思いのほか注意が散漫になってしまい
未だトゲトゲしいままの生の角材に
私の素手が頼ってしまっていた。
普段の私なら
軍手も無しに触りはしない。
どういう訳か少しだけ期待感を持ちつつ
そっと手のひらを開けてみた。
やはりトゲ状の木屑がまばらに残っている。
そのうちの何本かは手を軽く振るだけで
あっという間に落ちていった。
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