脇役/永乃ゆち
人は誰しも人生の主人公だとよく聞くが
私は私の人生においても脇役ではないかと思う
ヨークシャテリアのクィーンは未だに懐かない
(私が名付け親なのに!)
今日こそ告白するぞとお洒落して意気込んでいたらヒールが折れた
天気予報は見事に外れ濡れ鼠になった
毎朝必ず黒猫が目の前を横切る
まぁ、良いけど
自分の人生を俯瞰で見られればなかなか面白いのかもしれない
他人事のように生きてゆけたら楽かもしれない
何故生きるのかとか
何故恋をするのかとか
答えの出ない問いを投げかけてひとしきり悩むのも
格好つけと言ってしまえばそれまでだろう
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