終末と、始源と/まーつん
 
げて 手首を露わにすると
そこに 一筋の刻み目を入れた
すると そこから光がにじみ出てきた
それは神の血だった 白い輝きが糸を引いて
手首の周りを伝い降り 波打ち際へと滴り落ちていった

゛見よ 私のこの分身が
 海よ お前の子宮の内に宿り
 やがて 新たな命となって目覚める
 それは 無限に続く選択の始まりであり
 唯一つきりしかない 神への…私への家路を探る 旅の幕開けでもある

 その命は 歩み直すのだ
 誰も通ったことのない 進化の道筋を
 彼らが…わが子が… 愛を見失うことなく歩み続けるなら
 いつの日か 今度こそ 無事 私の元へと還ってくることが できるだ
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