twitter/葉leaf
 
少年は、CDの最後の曲が鳴り止んだ後の時間が苦手だった。少年はいつもヘッドフォンで音楽を聴いていたが、最後の曲が終わってしばらくするとCDが停止する、そのときのズン、という音が苦手だった。曲が終わってもわずかなノイズは鳴り続けるが、CDの停止と共に真の静寂が来る、それが怖かった。

僕が会いたかったのは誰でもなかった 出会いは強制のようにやってきた 周りの人たちの知識と知性と倫理に 決して勝てないように思えて 僕はその敗北を自尊心のなかに回収できなかった 敗北は曇り空のように圧倒的で 自尊心は宝石のように硬かった 僕は宝石を砕くことで自らを砕いてしまった

満員電車の外には余りにもなめらか
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