朝の街路樹/
殿岡秀秋
目の前でくるっとまわって
ぼくの口や鼻から身体にはいっていく
からだの中を小人たちが
運動会のように走りまわる
ぼくがスキップしながら口をあけると
小人たちは飛びでていく
地平線に頭をだした朝陽の上を
小人たちは歌いながら
駆けあがっていく
ぼくも後をついて昇っていく
倒れていたぼくは立ちあがり
口元が緩むのを感じながら
足を交互に動かして
街路樹の間をゆっくり歩きだす
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