夜の雲/
和田カマリ
窓のカーテンを
開けるのが
遅すぎたので
空たちはすでに
色を失っていた
だけど彼等は
ただじっとしている
訳ではないようだ
動いている
動いている
じんわりと
じんわりと
そして巨大に
これら
スポットライトの
当たる事のない
夜の者達よ
お前たちこそは生きている
そしてそれを
俺はわかっている
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