海草/永乃ゆち
無限のループに取り込まれてる
もがくほど足掻くほど足首に絡みついてくるそれは
遠い昔母と潜った海の底の海草たち
母はもう私を分からない
私を虐待していたことも忘れてしまっている
今更この年老いた母と言う生き物に
期待する事は何もないが
彼女の最期は私の手で迎えさせたいと思う
無限のループ
果てなき旅
地球の自転に逆らった私には
怖いものなど何もない
「母さん。今までありがとう。あなたの事大嫌いだった」
もがくほど足掻くほど海草が絡まって身動きが取れない
未だに母の呪縛が解けないのだろうか
もうやめよう。抗うのはやめよう。
海草に包まれて私も最期を迎えよう
「お母さん草がいっぱい生えちょるよ!
海の中にも草って生えるんだねぇ!」
「あんまり遠くに行っちゃいけんよ
危ないからね」
ただ一つの優しい記憶を持って
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