人間/yamadahifumi
 
さようなら 言葉の群れ
今、人間達がどんなに正しかろうとも 僕は
一匹の子犬の渇きを選ぶ
そして君の渇きを
君が飢えて舌を出すその様を

僕を殺してみたまえ・・・血が流れ出るだろう
君自身を刺してみたまえ 君の身体からは言葉が流れ出て
大河となってこの世を覆うだろう・・・
君は人間ではないのだ
「俺は(私は)人間だ!」・・・と叫んだあの日から

人間なら
飢えてみたまえ
渇いてみたまえ
一度でいいから本物の飢えを体験してみまえ
即ち、君の世界観は変わるだろう
君自身を殺した一匹の虎の
渇いた舌のように・・・君も飢えるだろう
一匹の獣となって、君は滑らかに夏草の上を這い
その時、君は初めてこの世の星座を目撃する

昔から君は一匹の獣だった
ただ一時、人間という名の獣より一段劣った
神に似せられて作られた蛆虫に身を落としただけの
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