因果律/桂川精螺
 
黒猫が白猫を舐めるので、
私は白猫の指を舐めます

クリープが凍えてしまうと、決まって
私は 貴方を思い出しては
めそめそと泣きます

貴方の言葉をアレルゲンに
私は泣きます


大好きな嘘。
大好きな、貴方の。大好きな。


「君の名前と、僕の苗字がひっつくと
 軽いエリジオンが生じてしまうので
 僕は泣く泣く君を捨てるよ」


それでも私は
貴方の言葉の端っこにクリープを溶かして、
啜るようにしながら 泣き腫らします

ひとしきり泣き腫らすと、決まって
猫はラ行の何処にもない音で
私を舐めます
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