Flower adjustments/水町綜助
鉱石は女のなかに
いくつもの錠剤と
かすかな焼け野はらの香り
それと、ちいさな紙切れは
緑がかった鉱石を仄かに
ひらめかせては
夜という夜のあとに
必ず差し込まれる朝
その尻尾にぶらさがって
鋭利な朝陽の先端をつぶして出来た
鈍器のような昼の陽射しの中に
何度もなぐられては
巻き戻されてしまって
テープ
切ってやろうとおもってる
もうノイズ
入ってるし
デッキだって
吐き出すよ
そのうちね
このあいだなんて
かんじんなせりふ
切れちゃって
笑えるわ
すごく真剣なかお
くちだけ動いて
どんなせりふだったか
覚えてるわけないじゃない
風鳴
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