object/水町綜助
とはじまる
距離のあいだ、
に、形どった日々へ
目を落とし
日々をつたう
色をだれかにきかれ
こたえるなら
なに色だろうか
それはひょっとすると
色を映し込んでいるのかもしれない
*
なぐりがきされてしまった
それは、読むことができない
書いたものでさえ
何を書いたか忘れてしまった
*
完全にひめられた
かつてあった意味
かつて意味があったかどうかも
なくし
ところどころくるりと巻いた
文字のような線
*
一本の横線
何回も引くことを練習し、そして練習された
あの線のことだ
その上にはあのゆううつな
カーブの多い言葉と
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