object/水町綜助
 
とはじまる
距離のあいだ、
に、形どった日々へ
目を落とし
日々をつたう
色をだれかにきかれ
こたえるなら
なに色だろうか
それはひょっとすると
色を映し込んでいるのかもしれない



なぐりがきされてしまった
それは、読むことができない
書いたものでさえ
何を書いたか忘れてしまった



完全にひめられた
かつてあった意味
かつて意味があったかどうかも
なくし
ところどころくるりと巻いた
文字のような線



一本の横線
何回も引くことを練習し、そして練習された
あの線のことだ
その上にはあのゆううつな
カーブの多い言葉と
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