木漏れ日を見ていた/ちゃむ
今日の朝
街並みは少々異様な光景で
路上に色眼鏡とカメラを片手に持つ人々
刻一刻と薄暗くなってゆく
視線は月と太陽の重なりへ向けられている
金環日蝕
昨日からテレビで見ているから
別に興味が無かった
色眼鏡も無ければカメラも無い
みんなが空を見上げているとき
私は暗がりを楽しんで
木漏れ日の影を眺めていた
風に揺らぐ無数の光が
そこにはあったよ
金環日蝕の形をした光が
夕暮れ
日蝕の話題はひとつも無かった
いつもの帰り道
夜のニュース番組
日蝕の人々が空を見上げる光景
次の瞬間には別のニュースへ
明日の天気は崩れるらしいです
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