新月/
和田カマリ
僕の昨夜の窓から
お通夜のような
山腹のともし火が
見えていた
夜が更けるほど
冷えかけの
マグマのように
増して行く
くれない
やがてそれは
手を加えた
薔薇のように
美しく咲いた後
突然に
消えてしまった
あたりには
新月の気配だけが
残った
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