その祈りは、とても細く硬い針のように振れて、きっと何者もきずつけることはない/ねことら
あなたに追いつきたい。確定させたい。
素肌や、くちびるや、往来の熱のこと。
恋のはなしだ。
わたしは、いつも恋のはなしばかりしている。
嵐のように荒れて、きみが部屋を出たあと
ふたりぶんのコーヒーを淹れて
まだ帰りを待っている。
うすい左胸のふくらみから、少しずれた部分がいたむ。
なにか、大切なものが外れたような感覚があって。
月のわずかな光量で部屋が照らされている。
おとはしない。
もしかしたら、わたしのやりかたは
弔いの方法にちかいのかもしれない。
ひとをすきになるのは、命をひとつすてることだ。
わたしの、その瞬間の命は、もう
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