もげる身体/
灰泥軽茶
もげそうになった
私の身体の一部は
かさかさの瘡蓋で覆われていた
滲む体液が乾燥して
指でなぞると
疼き蠢き熱を帯びているが
やがてだんだん鼓動が波のように去っていき
同時に乾き
しわしわになった
身体の一部は空白を脈打ち
ポトリと地面に落ち
もとから何もなかったように消え
私も忘れていく
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