空が片方の目を瞑る/
瑠王
空が片方の目を瞑る
女はさよなら
、と言った
沢山の赤い宝石が、道路を転がってゆく
遠ざかってゆく赤い宝石の
笑い声
夜を前にして、消え去ろうという
閉じかけた花の
遺言を
目に焼きつけて
目に、焼きつけて
どうせまた次が来るのだ、と
永遠に来もしない
明日を
おもっている
空がもう片方の目を瞑る
男はさよなら
、と言った
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