五月/
松本 涼
五月に生まれた
その時私はたくさん泣いただろうか
明るい小さな窓のそばで
この身体に優しさの種を植えただろうか
育つたびに変わらない
心の水たまりは
やがてゆっくりと輪郭までを映すようになってはきたけれど
五月に立つ私は
まだ少しこの空と馴染まない
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