ランダム/木原東子
この生が空しく過ぎることを悲しめば
問い返される
何が充実か
揚羽蝶がゆずの木にやってきた
仇やおろそかではない
ひらひらと儚くも天に任せる
愛しているさ、悲しんでいるさ
生の肯定 死の受容
自分を肯定できる方法を必死に探す
庭仕事ウーマン 目隠し作戦を練る
風の強さ 家人への不安 これに対処できるか
おまけにひとりで作る自信がいまひとつ
老母を美しい季節の庭に招待したいかも
そのためにはしておくべきことも多い、不可能な程
なにゆえにこうも自分に課する
ちょうどカーテンの隙間から
大きな満月が覗き込んでね
話しかけてきた
ややの後、隙間を
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