春の星座/
まんぼう2
内気なセレーネ
は恥ずかしくて急ぎ足
ビーナスとジュピターが
囃し立てるが
菫色の空を
素知らぬ顔で
つれない素振り
ギジムナーは
煙草を吸いすぎて
舌が苦い
夕霞が夜に融けだす頃
小さい黄色の電車が一両だけで
暗い森の中に走っていく
煌々と灯りを放ちながら
まるで
夜の遊園地のようだ
桜が散ると
春はざわざわと
騒がしい
暖かな夕暮れ
透明な人たちが住む
町へ出掛けて
オデンを食べた
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