しあわせをはかる/
百瀬朝子
てる、けど、
心がみるみるせまくなって
とめることができなくて
天秤にのせる
くねくねの紐を巻きつける
傾きの方向を確かめる
数字を探す
足元に転がっている
(それは輝きを放つもの)
かけがえのないものたちが
かすんで
消えそうで
つらい思いが勝ったとき
足元に転がっているのに
(いまや漆黒のかたまりとなったもの)
かけがえのないものたちのはずが
忘れてしまう
たまに気づいて
探してみるけれど
心がうるんで何も見えない
何も見えないよ
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