バキュームフェラ祭り/いとう
看板の文句に惹かれて暗い地下へ降りると、天上の蒸し暑さを忘れるほど冷えた待合室に通され顔写真とプロフィールのリストを渡される。幾人かの男たちがあたりまえのようにノンアルコールを飲みながら彼女たちの時間を拘束するのを待っている。その目には共犯の意識すら見えず、その目には期待すら写らず、マリア。君はこんな地の底で僕に選ばれる。
似つかわしくない名前
似つかわしくない容姿
似つかわしくない笑顔。
申し訳程度の着衣にクルスのペンダント、「マリアです」と握手を求められ、応えるとそのまま寄り添って「脱がせて」と溜息をつく。首筋に一瞬クルスが触れその部分だけ、さらに、冷える、マリア。
僕は
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